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2007年9月15日 (土)

第十一話

例えば指先。
それを動かそうと思えば、当たり前のように動く。
そんな感覚がいくつも集まって、小さな砂が流れるように自然と動き出す。
小さな砂が全て、真実を知っている小さな流れ星だったらどれだけ幸せなのか。

真実の裏側まで知っている虫たちが星屑の集合体だったら、
どれだけロマンチックなのか。
今日の結果が明日に繋がっても、思いが動きに繋がっても、それはただの現実で、
本当の意味を誰も知らない。

私だけが知っている。

例えば真面目な人。
見晴らしの良い交差点で、虫の声しか聞こえない時間帯。
きっと田舎者。いつもの癖で、既にその人は心の中で田舎者だと決め付けられていた。

田舎者の定義なんてこの際どうだっていい。本当はどうでも良くないんだけど。

信号待ちをする田舎者。車なんて来やしないのに。あなただって分かるだろう。
この時間、この場所、もしものことなんて考えられないこの瞬間に、
どうして、何を待っているのか。馬鹿か。
脳味噌が腐って、ハンマーで殴られた部分に、
ヒビが入って漏れ出しているのではないだろうか。腐った脳味噌の所有者よ。

信号が青に成り、渡る。赤なら立ち止まる。
何を信じて何を信じないのか。馬鹿がまた一人私の頭の中に記憶された。

そんな田舎者の背中を見ながら、彼女も同じ行動を取り、彼を追い抜かし、
彼の前に出る勇気が無かった臆病者。
同じ人間なのに、皮膚の下には何億もの違った思いが駆け巡って、
それだけの歴史を生み出しているのに。

たった一つの行動で評価するなんて。いやらしい。

もう考えるのはやめよう。早く眠りたい。
彼女は悶々とした暑くも寒くもない時間をただただ一人過していた。


つづく

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